特殊健康診断

特殊健康診断とは

有害物質を取り扱う方やリスクの高い作業を行う方に対する健康診断です。作業および作業環境と特殊健康診断結果との関連を検討することで、作業による健康障害を未然に防ぐことを目的として実施されるものです。

健診時期は通常、雇入れ時・当該業務への配置換え・定期(6ヶ月または1年以内に1回)ですが、取り扱う物質によっては、離職時・その他の業務への配置換え時などに実施しなければならないものもあります。特殊健康診断にはさまざまな種類があり、業種や取り扱っている化学物質等により義務づけられているものもあります。

電離放射線健康診断

管理区域内に立ち入り放射線業業務に従事する労働者に対しては、雇入れ時と当該業務への配置換え、およびその後定期的(6ヶ月以内に1回)に健康診断を実施しなければなりません。

必ず実施すべき検査項目

  1. 被ばく歴の有無の調査およびその評価
  2. 白血球数および白血球百分率の検査
  3. 赤血球数および血色素量またはヘマトクリット値の検査
  4. 白内障に関する眼の検査
  5. 皮膚の検査

有機溶剤健康診断

有機溶剤中毒予防規則第1条第6項の有機溶剤業務に従事する労働者に対しては雇入れ時と当該業務への配置替え、およびその後定期的(6ヶ月以内に1回)に健康診断を実施しなければなりません。

必ず実施すべき検査項目

  1. 業務の経歴の調査
  2. 作業条件の簡易な調査
  3. 有機溶剤による健康障害の既往歴の調査、有機溶剤による自覚症状または他覚症状の既往歴の調査、有機溶剤による異常所見の既往の有無の調査
  4. 有機溶剤による自覚症状または他覚症状と通常認められる症状の有無の検査(自覚症状・他覚症状については決められた項目をチェックします)
  5. 尿中の有機溶剤の代謝物の有無の調査
  6. 肝機能調査
  7. 貧血検査
  8. 眼底検査

医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目

  1. 作業条件の調査
  2. 貧血検査
  3. 肝機能検査
  4. 腎機能検査
  5. 神経学的検査

特定化学物質健康診断

特定化学物質は健康への大きさを目安に製造禁止物質や代1類物質といった区分に分けられていて、雇入れ時、当該業務への配置換え時、およびその後定期的(6ヶ月以内ごと、物質によっては1年以内ごとに1回)に健康診断を実施しなければなりません。また、物質によっては、過去に常時従事していて現在も雇用している場合は、6ヶ月以内ごとに健康診断を受けさせなければなりません。また一次検査で異常所見があり、医師が必要と判断した場合は二次検査を受けさせなければなりません。特定化学物質障害予防規則では、物質により一次検査および二次検査の項目が決められています。

主な物質ごとの検査項目

物質名 検査内容
弗化水素 診察
マンガンおよびその化合物 診察、握力
クロム酸およびその塩 診察、胸部X線
ニッケル化合物(粉状のものに限る) 診察
エチルベンゼン 診察、尿中マンデル散
コバルトおよびその無機化合物 診察
クロロホルム 診察、肝機能
ジクロロメタン 診察、肝機能
スチレン 診察、尿中マンデル散とデルグリオキシル散の総量、白血球、白血球分画、肝機能

じん肺健康診断

じん肺法施行規則で定められた作業に、常時従事または従事したことがある労働者に対して実施しなければならない健康診断です。健診時期は就業時・定期・定期外・離職時に分けられます。

必ず実施すべき検査項目

  1. 粉じん作業についての職歴の調査
  2. 胸部X線検査

高気圧健康診断

必ず実施すべき検査項目

  1. 既往歴、高気圧業務の経歴の調査
  2. 関節、腰もしくは下肢の痛み、耳鳴り等の自覚症状または他覚症状の有無の検査
  3. 四肢の運動機能の検査
  4. 鼓膜および聴力の検査
  5. 血圧の測定ならびに尿中の糖・蛋白の有無の検査
  6. 肺活量の測定

医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目

  1. 作業条件調査
  2. 肺機能検査
  3. 心電図検査
  4. 関節部のエックス線直接撮影による検査

石綿健康診断

石綿障害予防規則に基づき、「石綿を製造し、もしくは取り扱う業務等に常時従事する労働者」および「事業場の在籍労働者で、過去においてその事業場で石綿を製造し、または取り扱う業務に常時従事したことのある者」に対して雇入れ時、当該業務への配置換え時、その後定期的(6ヶ月以内に1回)に健康診断を実施しなければなりません。

必ず実施すべき検査項目

  1. 業務の経歴の調査
  2. 石綿による、せき・たん・息切れ・胸痛などの自覚症状または他覚症状の既往歴の有無の調査
  3. せき・たん・息切れ・胸痛などの自覚症状または他覚症状の有無の調査
  4. 胸部X線検査(直接撮影)

医師が必要と判断した場合に実施しなければならない項目

  1. 作業条件の調査
  2. 特殊X線検査および喀痰細胞診または気管支鏡検査

対象者

  1. じん肺健康診断

    法令で定められた24種類の粉じん作業に常時従事している労働者または、従事したことのある労働者

  2. 鉛健康診断

    法令で定められた鉛を取り扱う業務に従事する労働者(6ヶ月以内ごとに1回実施)

  3. 特定化学物質等健康診断

    法令で定められた特定化学物質を取り扱う労働者(6ヶ月以内ごとに1回実施)

  4. 電離放射線健康診断

    放射線業務に従事し、管理区域に立ち入る労働者(6ヶ月以内ごとに1回実施)

  5. 有機溶剤健康診断

    法令で定められた有機溶剤業務に従事する労働者(6ヶ月以内ごとに1回実施)

  6. 高気圧業務健康診断

    高圧室内業務または潜水業務に従事する労働者(6ヶ月以内ごとに1回実施)

  7. 四アルキル鉛健康診断

    四アルキル鉛の製造、混入、取扱い業務またはそのガス、蒸気を発散する場所における業務に従事する労働者(3ヶ月以内ごとに1回実施)

  8. 歯科健康診断

    酸、黄りん、その他歯またはその支持組織に有害な物質のガス、蒸気または粉じんの発散する場所における業務に従事する労働者

  9. 船員手帳健康診断

    法令で定められた船舶業務に従事する労働者

検査項目

受付・予約

午前8時から健診開始
午前中のみ実施

予約方法

各種健診の予約は、①予約フォームからの申し込み、②電話での申し込みが可能です。

詳しくは「予約について」のページに記載がありますので、ご確認をお願いいたします。